最近令和3年度版水産白書が出ましたが、今年の試験に出るのは基本的に令和2年度の水産白書からですので、令和2年度版の水産白書のポイントを考察したいと思います。最新版の水産白書についての考察は近々書こうと思います。
令和2年度版の水産白書の特集はマーケットイン型水産業の推進でした。
マーケットインは消費者の求めるもの、ニーズを分析しそれに合致した商品を作り出していくことです。対義語としてプロダクトアウトがありますが、こちらは生産者視点でより良いものを作る、いわば日本の従来の職人的価値観を指します。
プロダクトアウトでいうと例えば加工業であればより美味しい加工法を開発する、養殖業についてもより美味しい魚を作ることに当たるでしょうか。
しかし、現在は消費者のニーズも多様化し、味以外にも「衛生的な加工場で加工されたもの」であったり「海洋環境を考慮した養殖場で養殖された魚であること」など衛生管理や環境配慮に関するニーズや「店に行かなくてwebで購入可能な商品」など購入方法に係るニーズなども求められるようになってきて、プロダクトアウトだけでの考えでは市場に対応できなくなる恐れも出てきました。
衛生管理や環境配慮に対するニーズに応えるものとしてはMSCやASCなどの水産エコラベルが該当します。近年では日本発の認証であるMELなんかもあるそうです。
これらの認証は取得するために、審査員による厳しい現場視察や書類チェック(例.魚を養殖するにあたり科学的に見て清浄な水で養殖されているか等)がされることから上記のニーズに応えた商品を出荷する際に役に立ちそうです。
また近年水産物もインターネット、ECサイトでの販売が積極的に行なわれるようになり、消費者は店に行かなくても新鮮な魚が手に入る環境になりました。
楽天のサイトやFish saleなど魚販売専門サイトが有名でしょうか?
またこのようなインターネットによる直売は生産者が誰かなども特定できるため、トレーサビリティの面でも有効です。
個人的には日本の職人的気質に合致したプロダクトアウトをもっと押し進めてもいいと思いますが、時代はそれを許してくれないようです。
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